カマスは回遊性が高く、群れで入れば短時間に数を伸ばせる一方、いない時は無反応というメリハリの強いターゲットです。
ルアーはジグ単からメタルジグ、ミノーやシンペンなど選択肢が豊富で、時間帯と場所によって効き方が大きく変わります。
本記事では最新情報ですの視点で、季節ごとの回遊パターン、足場別の狙い方、ルアーの使い分け、エサ釣りの有効手段までを体系的に整理します。
はじめての方はもちろん、既に狙っている方が釣果を一段引き上げる具体策まで踏み込みます。
目次
カマス 釣り方の基本と最新トレンド
カマスは小魚を主食とする歯の鋭いフィッシュイーターで、表層から中層を素早く回遊しながら捕食します。
日の出前後と日没前後の時合いに表層へ浮き、日中はベイト次第で中層からボトム付近まで散るのが基本です。
ジグ単や小型メタルジグの高速ただ巻き、ミノーのトゥイッチ、シンペンのスローなドリフトなど、波動とスピードを使い分けることが釣果を左右します。
最新の傾向として、細PEとやや太めのショックリーダーを組み合わせたライトゲームタックルでの機動力重視、フロントシングルのアシストフック化によるバラシ軽減と素早いリリースが広く定着しています。
また、常夜灯下ではクリアやグロー、デイはフラッシング強めのカラーが安定しており、サイズは70〜100mmクラスの細身プラグ、5〜20gの小型ジグが主力です。
カマスの習性とヒットレンジの基本
カマスはベイトが濃い時は表層を速く回遊し、離れるとレンジを落とします。
デイは中層からボトムのスイムで反応が出ることがあり、ナイトは表層のスロー展開が効きやすいです。
まずは表層から順にカウントダウンで探り、反応が出たカウントを記録し再現することが大切です。
群れが入るとチェイスは多く出ますが、見切りも早い魚です。
同じコースの同じ速度を続けるより、ストップアンドゴーやショートトゥイッチで変化を付けると食わせの間が生まれます。
また、波動が強すぎるとスレるため、ミスバイトが増えたらシルエットを落とすか、波動弱めのルアーへ切り替えます。
最新トレンドのキーワード
フロントシングルのアシストフック化、スナップの小型化でルアーの可動域を確保しつつ、リーダーは12〜20lbを基準に20〜25lbのショートバイトリーダーを追加して切断対策を行うのが主流です。
メタルジグは前後ともシングル化し、ジグ単は0.8〜1.5gからスタートして流れや風でウエイトを適宜上げます。
カラーはクリアベース、イワシ系、夜はグロー点発光やUV反応が安定します。
よくあるミスと回避法
細すぎるリーダーでの高切れ、トレブルフックの伸び、ドラグ締め過ぎが典型です。
リーダーは実釣強度を優先し、ドラグは0.8〜1.2kgを目安に滑らかに設定します。
群れを散らさないため、ランディングと手返しは迅速に行い、無駄な空中ポンピングや大声を避けます。
シーズンと回遊パターンを理解する

カマスは地域差はありますが、沿岸での好機は秋から初冬にかけての群れの接岸期が核になります。
春から初夏はサイズが伸び、ベイトの接岸とともに小規模回遊で拾い釣りになる傾向があります。
水温や透明度、ベイトの量で日替わりの変化が大きいため、現場での観察が釣果を左右します。
地域別のおおまかな目安
太平洋側の温暖域では初秋から安定して接岸し、北へ行くほどピークは遅れます。
日本海側は荒れの合間の凪に時合いが凝縮しやすく、風裏となる湾内や港内が軸になります。
黒潮や親潮の影響でベイト来遊が早い年はシーズンインも早まることが多いです。
水温・天候・透明度の関係
急な冷え込みや濁りでレンジが下がるとメタルジグのリフトアンドフォールが効きます。
逆に穏やかでクリアな日はプラグのナチュラルなただ巻きが有利です。
雨後のささ濁りはシルエットが立ちやすく、強めのフラッシングやチャートが奏功することがあります。
ベイトパターンを読む
カタクチイワシの群れが接岸する日中はボイルが起きやすく、表層系で手早く探るのが正解です。
キビナゴや小アジが主体のナイトはレンジ固定のスロー展開へシフトします。
偏光グラスでベイトの密度と大きさを確認し、ルアーのシルエットを合わせると見切られにくくなります。
場所選びと潮の読み方

カマスは回遊魚とはいえ、通り道は一定の法則があります。
潮が効く角、港内のスリット、常夜灯の明暗境界、サーフの離岸流筋など、ベイトが寄りやすい線を結ぶとヒットゾーンが絞れます。
風向きと潮位差、波高の三点を現地で必ず確認しましょう。
防波堤での要点
堤防の先端や曲がり角、外海側の払い出しが一級です。
足元から5mまでの岸沿いも有力で、特に明暗境界が絡むと一気に確率が上がります。
潮通しが悪い内向きはナイトの常夜灯下に分があります。
河口・港内の回遊線
河口は満ち上げにベイトが差すタイミングが狙い目です。
船道のかけ上がりや、係留船の陰で反転流ができる場所を重点的に通します。
港内では常夜灯の直下より、明暗の境を斜めに横切らせるコースが効きます。
サーフと磯の見立て
サーフは離岸流、テトラの切れ目、馬の背の両サイドが通り道です。
ウネリが強い日は沈み根際にベイトが寄るため、シンペンや重心移動ミノーで遠投し回遊線を横切らせます。
磯は安全最優先でフローティングベストを着用し、風裏とサラシの間の緩い帯を叩きます。
潮目と風の活用
潮目はベイトの移動ベルトであり、カマスの待ち伏せ線です。
風下はベイトが寄りやすい反面、波立ちで見切られにくい利もあります。
向かい風の日は比重のあるメタルジグやヘビーシンペンで貫通させます。
タックル一式とライン設定の最適解
快適に数を狙うならライトゲームの汎用タックルが最適です。
7.6〜9.0ftのL〜MLクラスのロッド、2500〜3000番のスピニング、PE0.4〜0.8号、フロロ12〜20lbを基本に組みます。
切断対策に20〜25lbの短いバイトリーダーを10〜20cm追加すると安心です。
ロッドとリールの選び方
ロッドは軽量ルアーの操作性と飛距離の両立が鍵です。
防波堤メインなら8.6ft前後のML、港内の近距離戦は7.6ftのLが扱いやすいです。
リールはドラグ性能を優先し、滑らかに出るものを選びます。
ラインとリーダー設計
PEは0.6号を起点に風や飛距離が必要なら0.8号、繊細さ重視なら0.4号に調整します。
リーダーは12〜20lbを1.5〜2m、先端に20〜25lbのフロロを10〜20cmか、極細ワイヤーを5〜10cm足すとカット対策になります。
結束はFGノットかPRノットで強度を確保します。
フック・スナップ・アクセサリー
フックはフロントシングルのアシストが絡みにくく、素早いリリースにも向きます。
スナップは小型高強度でアイの自由度を確保し、リングは極力減らして重量を抑えます。
フィッシュグリップとロングノーズプライヤーは必携です。
実戦ヒント。
ドラグはデジタルスケールで1kg前後に合わせ、釣り場での微調整を習慣化しましょう。
ナイトはヘッドライトの直射を水面に当てすぎないことで、群れを散らしにくくなります。
ルアー別攻略 ジグ単・メタルジグ・プラグの使い分け

ルアーは状況別に明確な得手不得手があります。
風、流れ、ベイト、レンジを素早く分析し、最短で正解に寄せる引き出しを用意しておくと、群れの滞在時間が短い時でも取りこぼしを減らせます。
| ルアー | 適水深 | 有効シチュエーション | 基本リトリーブ |
|---|---|---|---|
| ジグ単 | 表層〜中層 | 常夜灯下のスレ場 | スローただ巻き+小トゥイッチ |
| メタルジグ5〜20g | 中層〜ボトム | 風・流れが強い日 | 高速ただ巻き/リフト&フォール |
| ミノー70〜100mm | 表層 | 朝夕の回遊線 | ただ巻き+ショートトゥイッチ |
| シンペン70〜95mm | 表層〜中層 | クリアウォーター | スローリトリーブ+ドリフト |
| トップ | 表層 | ナブラ時 | 速巻き+時々ストップ |
ジグ単での繊細攻略
0.8〜1.5gから始め、風や流れで2〜3gへ可変します。
ワームはストレートやピンテールの70〜90mmが定番で、カラーはクリア、銀ラメ、夜はグローの点発光が強いです。
リトリーブは一定速のスローでレンジキープし、時折1回のトゥイッチで食わせます。
メタルジグの速攻サーチ
5〜20gのスリム系が定番です。
向かい風や潮が速い時はメタルジグで中層まで沈め、高速ただ巻きでリアクションを狙います。
フォールバイトが多い日はロングフォールとショートジャークを組み合わせます。
プラグの見せて食わせる釣り
ミノーは70〜100mmの細身を中心に、ショートトゥイッチでヒラ打ちさせてスイッチを入れます。
シンペンは流れに乗せてスローで漂わせ、明暗境界を斜めに横切らせると効果的です。
ナブラ時はトップの速巻きで競争心を煽り、一気にキャッチアップします。
カラーとサイズの選び方
デイはイワシ、コットンキャンディ、フルシルバーなどのフラッシング重視。
ナイトはクリア、グロー点、パール系の明滅弱めが定番です。
追い切らない時はワンサイズダウン、ショートバイト多発はフックサイズを一段下げます。
デイゲームとナイトゲームの違いと戦略
デイはスピードとコース、ナイトはレンジとシルエットが最重要です。
光量と背景コントラストでルアーの見え方が変わるため、同じ場所でも時間帯によって使うルアーと操作を切り替える必要があります。
デイゲームの要点
目視で潮目とベイト群を追い、回遊線を横切る速い釣りでサーチします。
メタルジグの高速巻き、ミノーのただ巻き中心でテンポよく打ち、反応が出たラインを反復します。
ミスが増えたら速度を少し落としてストップを混ぜ、食わせの間を作ります。
ナイトゲームの要点
常夜灯の明暗境界で、表層レンジのスロー展開が肝です。
ジグ単やシンペンでスローに引き、角度を変えつつコースを刻みます。
光を直接当てない、騒がないなど群れを散らさない配慮が釣果へ直結します。
光量とルアー選択
月夜や強い常夜灯ではクリアや透けグロー、暗い日はシルエットが出るパールやダークが有効です。
夜霧や雨の微濁りでは反射系が効くこともあります。
同エリアで3投反応が無ければ角度とレンジを変えるのが基本です。
防波堤・サーフ・ボートの足場別テクニック
足場によって、届く水深と回遊線、取り込み方法が変わります。
それぞれの強みを活かす仕掛けと手返しで、群れが通過する短い時合いを逃さないことが大切です。
防波堤での手返し重視
常夜灯の明暗へ素早く投入し、ヒットレンジを共有できるようカウントを管理します。
取り込みは抜き上げ可のタックルであれば一気に、難しければハンドランディングを想定して足元の安全を確保します。
混雑時はキャストマナーとお祭り回避を最優先します。
サーフでの遠投戦
ヘビーシンペンや20g前後のメタルジグで広範囲を斜めにサーチし、離岸流へルアーを通します。
波打ち際の足元での追い食いも多いので、最後まで油断せずに足元まで巻き切ることが重要です。
回収時の高速巻きで思わぬヒットが出ることもあります。
ボート・カヤックでの縦の釣り
魚探で反応が出た層へ30〜60gのメタルジグを落とし、ショートピッチで刻みます。
サビキとの併用や多点掛けも有効ですが、手返しと安全を重視します。
歯が鋭いのでデッキ上での暴れ対策にマットやバケツを準備します。
エサ釣りで狙う場合の仕掛けとコツ
ルアーが効かない日や、ファミリー同伴で数を狙いたい時はエサ釣りも強力です。
ウキ釣り、カゴ+サビキ、テンヤ風の引き釣りなど、状況で使い分けます。
ウキ釣りの基本
小型の棒ウキにフロロ2〜3号、ハリはチヌ系2〜3号程度を基準にします。
エサはキビナゴや小魚の切り身で、明暗境界の表層に流します。
アタリは明確にウキが走るので、軽く合わせてドラグでいなします。
カゴサビキと引き釣り
サビキでベイトを寄せつつ、外道も混じりながら手堅く数を伸ばします。
群れが浮いていればカゴ無しの引きサビキも有効です。
テンヤ風のヘッドにキビナゴを刺してただ巻きするだけでも反応が出ます。
エサ釣りの注意点
エサ持ちを良くするため塩締めを活用し、針先は常に露出気味にします。
ハリスは2〜3号を使い、歯で切られる前提でこまめに傷をチェックします。
周囲に配慮し、コマセの撒き過ぎや足元の汚れを残さないようにします。
食いが渋い時の対処法とアジャスト術
反応はあるのに乗らない、群れはいるが口を使わない時は、レンジ、速度、波動の順で小さく変化を積み重ねます。
一度で大きく変えるより、原因を切り分けて探る方が早く正解に辿り着きます。
レンジと速度の微調整
カウントを1〜2刻みでずらし、レンジの正解帯を見つけます。
速度はハンドル1秒1回転を基準に、0.8〜1.2回転の範囲で微調整します。
ストップアンドゴーのポーズ時間も0.3〜1秒で変化を付けます。
波動とシルエットの再設計
見切られる時はシルエットを下げ、フックも小さくします。
逆に気配はあるが出てこない時は波動を上げ、強いフラッシングに切り替えます。
フック位置をリアからフロントへ、もしくはダブルからシングルへ変更して乗りの質を変えます。
ラインとリーダーの見直し
極端に渋い夜はリーダーを12〜14lbまで落とし、バイトリーダーを短くする選択もあります。
切断が続く場合は薄ワイヤーを5〜10cm追加し、違和感を最小限に抑えます。
スナップを小型化し、結び直しで光る傷を排除します。
安全対策と現場マナー 持ち帰りと下処理のポイント
カマスは歯が鋭く、フック外しでの事故が起きやすい魚です。
安全装備と針外し手順、ランディングのルールを徹底することでトラブルを減らし、釣り場環境と釣果の両立が図れます。
安全装備とハンドリング
ライフジャケット、滑りにくいシューズ、偏光グラス、ヘッドライトは基本装備です。
ランディングはフィッシュグリップで保持し、プライヤーでフックを外します。
素手で口元に触れないことを徹底します。
マナーと資源配慮
混雑時はキャスト順を守り、お祭り時は互いにラインを緩めて協力します。
必要量のみをキープし、小型はリリースを検討します。
ゴミは全て持ち帰り、血抜きや下処理は水を汚さない場所で行います。
持ち帰りと下処理
締めは脳締めとエラ切り血抜きを迅速に行い、氷で冷やします。
身が柔らかいので氷水に長時間漬けず、ラップやジップ袋でドリップ管理します。
塩焼き、フライ、干物、炙りなど火入れ調理が手堅く、鮮度が高ければ刺身も楽しめます。
よくある質問Q&A
現場で頻出する疑問を簡潔に整理します。
道具選びやトラブル対策の目安にしてください。
いつが一番釣れますか
朝マズメと夕マズメが基本の時合いです。
ナイトの常夜灯下も安定し、満ち上げに反応が集中する傾向があります。
リーダーがよく切られます
フロロ20〜25lbのバイトリーダーを10〜20cm追加してください。
それでも切られる場合は薄ワイヤー5〜10cmを併用します。
フックはフロントシングル化が有効です。
他魚との見分けと対処
サゴシやタチウオが混じると切断が増えます。
ヒット直後の首振りや走りで判断し、ドラグを緩めていなします。
トレースコースを少し下げるとカマスのヒット率が上がることがあります。
まとめ
カマス攻略の核心は、時合いの見極めとルアーの的確な使い分けにあります。
表層から順にレンジを刻み、速度と波動を小さく変えながら最短で答えに辿り着くこと。
タックルはライトに、しかしリーダーは実戦強度を優先し、歯対策を怠らないことが安定した釣果につながります。
ジグ単での繊細なスロー、メタルジグの速攻、プラグの見せの三本柱を時間帯と場所で切り替えれば、群れが短く通過する日でも拾い続けられます。
安全とマナーを徹底し、必要量のキープで美味しく楽しむ。
この一連の流れを身につければ、いつもの堤防もサーフも、カマスの好機を逃さないフィールドに変わります。
コメント