堤防からでも狙える強い引きで人気のターゲットがチヌです。
初めて挑戦する方が最短で1枚に近づくには、難しいテクニックよりも再現しやすい仕掛けと手順を選ぶことが近道です。
本記事では代表的な仕掛けを厳選し、釣り場や季節に応じた使い分け、実際の作り方、エサの付け方、当たりの取り方まで、要点だけを体系的にまとめました。
無駄を省いた構成なので、読み終えたらそのまま道具屋と釣り場に直行できます。
初心者の方でも迷わず準備できるパーツの号数、トラブル対策、予算別の組み方も具体的に解説します。
必要な部分だけ拾い読みしても理解できるよう、見出しごとにポイントを完結に整理しています。
最新情報も踏まえているので、今から始める方の指針として活用してください。
目次
初心者でも迷わないチヌ釣りの仕掛け入門
チヌは習性が豊かで、同じ釣り場でも日によって有効な仕掛けが変わります。
だからこそ初心者は再現性が高い基本形から始めるのが成功への近道です。
ここでは3つの王道を示し、どれを最初に選ぶべきかをはっきりさせます。
結論として、堤防で始めるならウキフカセか胴突き、足元の際を手返し良く探るなら落とし込みが分かりやすい選択です。
各仕掛けの強みと難しさを理解し、自分の釣り場と性格に合うものから着手しましょう。
ウキフカセの基本構成
潮にまかせて仕掛けを流し、エサとコマセを同調させて食わせる釣りです。
万能性が高く、堤防から磯まで対応します。
基本は遊動ウキ、ウキ止め糸、シモリ玉、スイベル、ハリス、ガン玉、チヌ針の流れです。
ウキは0〜G2、ハリスは1.5〜1.75号、針は1〜3号が目安です。
メリットは食い込みが良く、違和感を与えにくいことです。
デメリットは風や波で仕掛けが馴染みにくい場面があることです。
軽いオモリで自然に落とす意識を持つと当たりが増えます。
胴突きちょい投げの基本構成
オモリを下にして底を安定して探るベーシックな仕掛けです。
幹糸に枝ハリスを結んで針を1〜2本つけます。
オモリは6〜12号、枝ハリスは20〜30cm、針は伊勢尼6〜8号が扱いやすいです。
遠投は不要で、テトラ際や敷石の切れ目などピンを打てます。
エサは虫エサ、サナギ、コーンなど底志向の強いものが効きます。
底を小さく引きずって止めるの繰り返しで当たりが出ます。
根掛かりはある程度織り込み、仕掛けは予備を多めに用意すると安心です。
落とし込みの基本構成
足元の壁際を軽いオモリだけでエサを自然落下させる釣りです。
ハリス1.5〜2号にチヌ針2〜4号、ガン玉はG5〜Bの軽めから始めます。
竿は2.7〜3.3mの専用竿か柔らかめのライトロッドでも代用可能です。
エサはカニ、フジツボ、岩イソメなど壁際のベイトに合わせます。
視覚的に落とすライン釣りで、手返しが早く反応が得やすいのが利点です。
一方で風や波の影響を受けやすく、エサの落下速度管理が釣果を分けます。
縦の釣りに集中できる環境なら最もシンプルに結果が出ます。
まずはどれを選ぶか
広範囲に群れを探したいならウキフカセ。
ポイントが絞れる足元やテトラなら落とし込み。
底に張り付いた魚をじっくり狙うなら胴突きがおすすめです。
迷ったらウキフカセの基本に取り組み、次に落とし込みを追加する順が覚えやすいです。
穂先の弾性が高いロッドと伸びの少ないラインの組み合わせは感度が上がります。
一方でバラシやすくもなるので、ドラグ設定とタモ入れを丁寧に行ってバランスを取ってください。
釣り場と季節で変わる選び方

同じ仕掛けでも釣り場や季節で効果は大きく変わります。
チヌは障害物や潮通しを好み、水温やベイトに応じて回遊や居付きの場所を使い分けます。
地形と季節をセットで読むと、最初の1投が強くなります。
堤防・港内での狙い方
基本は船道、壁際、敷石の切れ目、潮が当たる角が一級ポイントです。
朝夕の潮が動く時間帯は特に壁際の落とし込みが速い反応を出します。
港内が澄み潮ならウキフカセで遠目の筋を流し、濁り気味なら足元重視が有効です。
磯・サーフでの狙い方
磯はサラシの払い出しやヨレにエサが集まるため、ウキフカセでヨレの外側を通します。
サーフでは捨て石帯やかけ上がりに魚が付くので、胴突きのちょい投げで段差を刻むイメージです。
波が高い日は無理をせず、風裏の堤防に移動する判断も大切です。
季節ごとのパターン
春は乗っ込みで浅場の砂泥底や藻場に差します。
ウキフカセで広く探ると吉です。
夏は夜明けと夕方の壁際が強く、落とし込みのベストシーズンです。
秋は荒食いでどの仕掛けも反応が上がり、冬は深場や日だまりの壁に集まりやすいです。
タックルの基礎と最新セッティング

道具は高価である必要はありません。
軽量で感度が良く、糸グセの少ない組み合わせを選ぶとストレスが減り釣果が伸びます。
ここでは失敗が少ない号数とサイズを具体的に提示します。
竿とリールの選び方
ウキフカセは5.0m前後の磯竿1〜1.2号が基準です。
2500〜C3000番のスピニングに浅溝スプールが扱いやすいです。
落とし込みは2.7〜3.3mの専用竿または柔らかいライトロッドに小型両軸か2500番スピニング。
胴突きは2.4〜3.0mのML〜Mロッドに3000番前後で十分です。
ラインとハリスの太さ
ウキフカセは道糸1.75〜2号ナイロンかPE0.6〜0.8号にフロロ1.5〜1.75号を1.5〜2ヒロ。
落とし込みはPE0.8〜1号にフロロ1.7〜2号。
胴突きはナイロン2.5〜3号にフロロ2号前後の枝。
視認性向上のため道糸はカラーラインが便利です。
ウキ・ガン玉・ハリの号数目安
ウキは0〜G2でスタートし、風や潮で一段重く調整。
ガン玉はG5〜Bをメインに、ジンタンで微調整します。
チヌ針は1〜3号、伊勢尼なら6〜8号で対応幅が広いです。
予算別の構成一覧表
これからそろえる方向けに、価格帯別の組み合わせ目安を整理します。
無理なく始められる構成に絞ってあります。
| 予算 | ロッド | リール | ライン | 想定仕掛け |
|---|---|---|---|---|
| エントリー | 磯竿1〜1.2号 5.0m | 2500番スピニング | ナイロン2号+フロロ1.5号 | ウキフカセ |
| ミドル | 落とし込み竿3.0m | 小型両軸または2500番 | PE0.8号+フロロ2号 | 落とし込み |
| 万能重視 | 2.7m MLロッド | 3000番スピニング | ナイロン3号+フロロ2号 | 胴突き |
小型スイベルやマイクロスナップを1点入れると糸ヨレが激減します。
視認性の高い蛍光ウキ止め糸は微妙な戻りアタリの検出に有効です。
仕掛けの作り方と結びの手順
現場で迷わないように、最小手順で確実に組める作り方を手順化します。
結びは3種類覚えれば十分です。
事前に自宅で数セット作っておくと釣り場での手返しが大幅に上がります。
遊動ウキ仕掛けの作り方
道糸にウキ止め糸を2個つけ、シモリ玉、ウキ、遊動用スイベルの順に通します。
スイベルにハリス1.5〜2ヒロをクリンチノットで結ぶ。
ハリス中間にガン玉を段打ちし、針を結ぶ。
最後に水深と流速に合わせてウキ止め位置とガン玉の重さを微調整します。
胴突き仕掛けの作り方
幹糸の末端にナス型オモリを結び、幹糸に枝スナップを1〜2個付けます。
枝ハリス20〜30cmを用意し、スナップに接続。
針は外掛け結びで確実に結束。
根掛かり軽減のため、枝は幹糸より0.5号細めがおすすめです。
落とし込み仕掛けの作り方
道糸とハリスを直結、または小型スイベルで接続します。
ハリス先端にチヌ針を外掛け結びで結束。
ガン玉は針上10〜20cmに最小限で打ち、落下速度を壁際の流れに合わせます。
風が強い日は一段重くしてラインのふけを抑えます。
結びの基本ノット
外掛け結びは針結束の王道で、覚えやすく強度も十分です。
クリンチノットはスイベルやスナップに汎用的に使えます。
道糸とハリスは電車結びかPRノットを使い分けましょう。
濡らして締め込む、余り糸を1〜2mm残すの2点で強度が安定します。
エサ選びと付け方

チヌは嗜好が幅広く、日によって反応が変わります。
定番を軸に、サブエサを少量持って行くとハマる日が確実にあります。
付け方の丁寧さは釣果の差に直結します。
付けエサの定番と使い分け
オキアミは万能で、頭を取って曲がらないように刺すと自然に漂います。
サナギは底志向が強い時に効き、二粒刺しでボリュームアップ。
コーンは視認性が高く食い渋り時のスイッチ役。
落とし込みは岩ガニやフジツボが強く、甲羅の端からしっかり縫い刺しします。
寄せエサの考え方
ウキフカセは付けエサと同調する粒径で配合し、比重を場所と潮に合わせます。
始めは多めに打って魚を寄せ、当たりが出たら量を落として維持。
落とし込みはコマセ不要が基本ですが、軽く撒き餌で活性を上げる選択もあります。
食い渋り時の小ワザ
ハリスを10〜20cm短くする、ガン玉を0.5〜1段軽くする、針を一段小さくするの順で調整。
オキアミは尻尾をカットして水中姿勢を安定させる。
コーンとサナギの抱き合わせも効く場面があります。
釣り方の手順と当たりの出方
仕掛けを正しく作っても、流し方や合わせが粗いと掛かりません。
基本手順をルーティン化し、当たりへの反応を標準化しましょう。
焦らず一定のリズムで再現することが最短距離です。
コマセワークと同調
先打ち3、仕掛け投入、追い打ち1の比率が基準です。
仕掛けが馴染むまで待ち、同じラインをトレースして同調させます。
風で流される日は着水点と角度を固定し、ラインメンディングをこまめに行います。
アタリを取るコツ
ウキがじわっと沈む、止まる、戻るなど微差を拾います。
落とし込みはラインがふける、止まる、走るの変化を指先で感じます。
胴突きは聞き上げ時の重さの変化を逃さず、違和感があれば送り込んでから聞き合わせします。
合わせ・やり取り・取り込み
合わせは小さく速く、竿1本分で十分です。
ドラグは出始め0.8〜1kg程度に設定し、強い突っ込みは寝かせていなします。
タモは早めに構え、魚体が浮いたら頭から一発で入れます。
足場が高い場所では無理な抜き上げは避けましょう。
トラブル解決と安全マナー
根掛かり、糸ヨレ、風の影響は避けられません。
起きた後の対処を知っていれば被害は最小化できます。
同時に安全装備とマナーは釣果よりも優先されます。
根掛かり・糸ヨレ・風対策
根掛かりは進行方向と逆側にラインを弾いて外すのが基本です。
無理に煽らず、竿を寝かせて角度を変えます。
糸ヨレはスイベルの追加と仕掛け回収時のテンション回収で軽減。
強風時は一段重いウキとガン玉、ロッドを寝かせてラインの風受けを減らします。
天候と潮の読み方
気圧が下がりはじめ、曇天や雨前は活性が上がりやすい傾向です。
潮は動き出しと止まり前後が狙い目です。
濁りは適度ならプラス、強すぎる時は派手色のエサや匂いで存在感を上げます。
安全装備とマナー
ライフジャケット、滑りにくいシューズ、夜釣りはライトと予備電池が必須です。
キャスト前の声掛け、ゴミは持ち帰る、漁業者と通行の妨げをしないのが基本です。
釣り場のルール看板は必ず確認しましょう。
- 予備仕掛けを3セット以上
- ガン玉はG5〜Bを各数個
- 針外しとプライヤー
- タモと替えネット
- 偏光グラスと日焼け対策
まとめ
チヌ釣りは多彩ですが、最初の1枚は基本形の精度で決まります。
堤防ならウキフカセ、落とし込み、胴突きのいずれかを選び、号数と手順を固定して再現性を高めましょう。
釣り場と季節のセオリーを踏まえ、エサと重さを一段ずつ微調整することが上達の最短距離です。
強い引きに備えてドラグとタモ入れを丁寧に。
安全とマナーを守れば、同じポイントでもチャンスは必ず巡ってきます。
本記事の目安どおりに組めば、初日から実釣レベルで通用します。
あとは釣り場で回数を重ね、あなたの仕掛けに自信を宿してください。
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