テトラや磯の隙間に落として根魚を狙う穴釣りは、短時間でも結果が出やすい人気の釣りです。
市販仕掛けでも十分に釣れますが、自作すれば根掛かりに強く、狙い場や潮に合わせた微調整が可能になります。
本記事では、代表的な自作リグの作り方から、根掛かり回避の工夫、結び方、現場運用、安全対策までを一気通貫で解説します。
初めての方でも迷わず作れる手順と、経験者がリピートする実践ノウハウを厳選してまとめました。
最新情報です。
目次
穴釣り 仕掛け 自作 の全体像と基本コンセプト
穴釣りの肝は、狭い隙間に素早く落とし、底を丁寧に探り、根掛かりを最小限に抑えることです。
仕掛けはシンプルであるほどトラブルが減り、打ち直しが速くなります。
自作の目的は、狙うレンジや地形に合わせて重さやフック位置を最適化し、ヒット率と回収率を高めることにあります。
代表的なターゲットは、カサゴ、アイナメ、ムラソイ、メバル、ベラ、ハゼ類などです。
冬から春は甲殻類系のエサに反応が良く、夏から秋は小魚付きや活性が上がる傾向があります。
潮位やうねり、風で攻める穴が変わるため、ウェイトやリグ構成を現場で素早く組み替えられるようにしておくと有利です。
穴釣りの魅力と難しさ
小さな面積に魚が濃縮され、ピンを打てれば短時間で結果が出ます。
一方で根掛かりリスクが高く、仕掛けの消耗も早いのが難点です。
自作により消耗コストを抑え、回収しやすい構成にするとストレスが減ります。
自作のメリットと限界
メリットは、重量や素材、フックサイズ、捨て糸長さなどの自由度が高い点です。
限界として、品質の均一性や耐久性では市販に及ばないことがあります。
用途に応じて、市販と自作を使い分けるのが合理的です。
まず押さえる基本思想
シンプル、強い、速いの三要素を満たすことです。
結びは少なく、ノイズの出にくい構成で、現場での交換を最短にします。
ラインは根ズレに強いフロロを基調に、必要に応じてPE+フロロのハイブリッドを使います。
自作で作る代表的な穴釣りリグの種類と使い分け

穴釣りでは、落として掛けるためのダイレクトな仕掛けが有効です。
ここでは自作と相性が良いリグを、地形と潮の条件別に紹介します。
ブラクリ風直結リグ
中通しオモリやナス型オモリの直下にフックを置くショートリーダーの構成です。
隙間へストンと落ち、アタリをダイレクトに伝えます。
テトラの面や短い縦穴で強い選択です。
捨て糸式胴突きリグ
メインラインから枝スにフックを出し、底側は細い捨て糸でオモリを吊る構成です。
根掛かり時は捨て糸が切れて仕掛け本体が残りやすく、消耗を抑えられます。
荒根やゴロタで有効です。
直リグとテキサスリグ
フックとシンカーを一体化した直リグは感度と回避性能のバランスが良いです。
テキサスはバレットシンカー+オフセットフックで、ワーム運用に最適です。
エサにも応用可能で、チョン掛けでも絡みにくいです。
中通しオモリの落とし込み
フロロをオモリに通して下端にスイベルとハリを連結する構成です。
水中での回転が少なく、落ちが速いので深い穴のボトム取りが正確です。
ワイヤガード付きフック応用
ライトロック用のガード付きフックに生エサを合わせると、ゴミ拾いを減らせます。
喰い渋り時はガードを少し開いて貫通力を確保します。
材料と道具一覧と選び方の基準

自作は部材選びで完成度が変わります。
迷ったら耐摩耗性と操作性を優先しましょう。
ラインの選び方
基本はフロロカーボン2〜5号を直結で使用します。
深場や擦れが多い場所は4号以上が安心です。
飛距離や感度が欲しい場面はPE0.6〜1.0号にフロロリーダー3〜5号を1〜1.5mで組みます。
フックの番手と形状
チヌ、丸セイゴ、伊勢尼の10〜3号を魚種とエサに合わせて使い分けます。
小型狙いは細軸、小エサは小針、大きめの甲殻類や切り身は太軸で伸び対策をします。
オフセットはワームの根掛かり回避に有効です。
シンカーとウェイト帯
ナス型、六角、中通しを5〜20号で用意します。
浅場無風は5〜8号、風波や深い縦穴は10〜15号、強風とうねり時は18〜20号が目安です。
鉛はコスパ、タングステンは小粒で貫通力が高いです。
小物と工具
スイベル、スナップ、ビーズ、シリコンチューブ、発光玉、ガン玉。
工具はラインカッター、ラジオペンチ、スプリットリングプライヤー。
現場での時短に小分けケースが役立ちます。
作り方手順まとめ: 主要3リグを自作
ここからは代表的な3リグを、部材と作り方で具体化します。
いずれも現場で3分以内の交換が目標です。
ブラクリ風直結リグの作り方
部材例: フロロ3〜4号80cm、ナス型8〜12号、チヌ2〜3号、ビーズ、スイベル。
用途: テトラの短い穴、風が弱い日、手返し優先。
- フロロを40cmと40cmに分け、先端にフックを外掛け結びで固定します。
- 反対側にビーズを通し、ナス型オモリを結びます。
- フック側とオモリ側をスイベルで連結し、フック側長さは3〜6cmに調整します。
- 余計な結び目を排し、全体を短く仕上げます。
フック位置がオモリ直近だと根掛かりは増えますが、アタリは明確になります。
根掛かりが多い場はフック側を5〜6cmに延ばして回避します。
捨て糸式胴突きリグの作り方
部材例: メイン3〜4号60cm、枝2.5〜3号15cm、捨て糸1.5〜2号10〜25cm、六角10〜15号、丸セイゴ2〜3号。
用途: 荒根、貝殻帯、ゴロタ。
- メインに三又サルカンを結び、枝スは15cmでフックを結びます。
- 下側に細い捨て糸を結び、先端にオモリを装着します。
- 枝スはメインと同じ方向に沿わせ、絡み防止にビーズを1個入れます。
- 現場では捨て糸長さを10〜25cmで調整します。
根掛かり時は捨て糸だけ切れるため、仕掛けの再立て直しが速いです。
喰い込みが悪い時は枝スを20cmに延ばし、違和感を減らします。
直リグの作り方
部材例: ワイヤガード付きオフセットまたはチヌ、スティックシンカー7〜14g、スナップ。
用途: ワーム運用、エサの貫通力向上、縦穴のジグヘッド代替。
- スナップにシンカーを通し、先端にフックを直結します。
- メインのフロロへスナップでワンタッチ連結します。
- ガード角度を調整し、根掛かりと貫通のバランスを取ります。
一体化で感度が高く、底質変化を拾いやすいです。
エサは縫い刺し、ワームは真っ直ぐ刺してテールの可動を確保します。
根掛かりを減らす工夫と回収テクニック

ロストを減らすことが、結果的に打ち直し回数を増やし釣果に直結します。
仕掛けと操作の両面から対策します。
捨て糸の素材と長さ設計
素材はナイロンが切れやすく、回収向きです。
長さは短いほど感度は良いが、根掛かり時の抜けは悪くなります。
通常15cm、荒根は10cm、高さのある段差や牡蠣殻帯は20〜25cmを目安にします。
シンカー形状の使い分け
六角は転がりにくく段差で止まりやすいです。
ナス型は隙間への進入性が高い反面、挟まりやすいです。
スティックは抜けが良く、縦穴での上下動に強いです。
引き外しの角度とライン操作
根掛かりを感じたら、テンションを抜いて上下に5〜10cmシェイクします。
外れない場合は進入角と逆側へロッドを低く構え、直線でゆっくり引きます。
最後は手袋越しにラインを持ち、一直線でスッと引いて捨て糸を切ります。
回収アイテムの使い所
軽量のラインカッターと予備仕掛けのストックが時短に直結します。
夜間は小型ヘッドライトで手元の結びミスを減らします。
強風時は指サックでライン滑りを防ぎます。
エサとワームの選び方と付け方のコツ
喰いの鍵はシルエットと匂い、定位時間です。
季節と水色に合わせて選びます。
生エサの基本
アオイソメ、岩イソメ、オキアミ、カニ、エビ、サバやイカの切り身が定番です。
濁り時は匂いの強い切り身、澄み潮は甲殻類が安定します。
イソメは房掛けにせず、短めの一本掛けで吸い込みを良くします。
ワーム運用のポイント
2〜3インチのクロー、ホッグ、グラブ、ピンテールが扱いやすいです。
カラーは黒、茶、グリーンパンプキン、濁りはチャートやオレンジが効きます。
ソルトインや匂い付きは喰いが長続きします。
刺し方で貫通力と耐久を両立
生エサは縫い刺しでズレを防ぎ、先端は鋭角を残します。
ワームは真っ直ぐ刺してねじれをなくし、テールの可動を最大化します。
ズレ防止に小さなストッパーやチューブを併用します。
ラインシステムと結び方: 強度を出すノット実践
穴釣りは短い距離で強くやり取りするため、結びの強度が釣果を分けます。
現場で素早く正確に結べるノットを習得しましょう。
直結フロロとPEハイブリッド
フロロ直結は手早く、根ズレに強いです。
PE+フロロは感度と飛距離で有利ですが、結束箇所が増えます。
初めはフロロ直結、慣れたらPEハイブリッドに移行するのが無難です。
基本ノット3種
ハリ結びは外掛け結びか内掛け結びが安定です。
スナップやスイベルはユニノットが素早く強度も十分です。
PEとフロロの結束は簡易FGか電車結びで現場対応します。
現場でのやり直しを速くする工夫
予備の枝スと捨て糸を事前に束ねておくと交換が秒で終わります。
結び後は必ず唾で湿らせ、締め込み時の摩擦熱を避けます。
最後に爪でコブを確認し、滑りがないかチェックします。
現場運用: 穴の探し方・攻め方・安全対策
正しい順番でテンポ良く打つことが、釣果の最大化に繋がります。
安全を最優先に組み立てましょう。
穴の見つけ方と優先順位
まずは波裏で泡が巻く縁、複数の穴が繋がるスリットを優先します。
日中はシェード、夕まずめは流れの当たる角が有望です。
実績穴は数投で見切り、横移動の速度を上げます。
打ち方の基本ルーティン
落とす、底を取る、2〜3回リフト、止める、回収の一連を10〜20秒で終えます。
アタリがなければ即移動、釣れたら同レンジを複数の穴で再現します。
群れが小さいため、粘り過ぎないのがコツです。
安全装備とマナー
滑りにくいシューズ、手袋、ライフジャケットは必携です。
テトラでは三点支持を徹底し、無理な飛び移りは避けます。
立入や採取の規制、駐車マナーを守り、環境に配慮します。
自作と市販のコスト比較とメンテナンス
自作は消耗場面でのコスト抑制に効果的です。
一方で時短や耐久は市販が優れる部分もあります。
状況に応じた併用が賢い選択です。
コストの目安
| 項目 | 自作の目安 | 市販の目安 | ポイント |
|---|---|---|---|
| ブラクリ相当 | 60〜120円/個 | 150〜350円/個 | 大量消耗時は自作が有利 |
| 胴突き仕掛け | 80〜150円/組 | 200〜500円/組 | 捨て糸で本体温存可 |
| 直リグ | 100〜200円/個 | 250〜600円/個 | タングステンは高価だが小粒 |
価格は部材の素材と数量で変動します。
消耗を見込んで3〜5セットを常備すると安心です。
再利用とリサイクル
回収したシンカーはリングとスイベルを点検し再利用します。
フックは針先を軽く研ぎ直し、サビや曲がりがあれば交換します。
ラインはキズが出たら即切り詰め、トラブルを未然に防ぎます。
保管と持ち運び
濡れた仕掛けは真水ですすぎ、塩を落としてから乾燥させます。
個別に小袋へ入れ、番手と長さをラベル管理します。
現場では防水ケースで出し入れの回転を速くします。
トラブルシューティングと改善チェック
よくある悩みは原因を切り分ければ解決が速いです。
一度に一つだけ変えて効果を確かめます。
根掛かりが連発する
捨て糸を細く短くし過ぎていないか確認します。
シンカーをスティック形状に変更し、進入角を垂直寄りに調整します。
フックポイントを少し内向きにして、ガードを強めます。
アタリが出ない・乗らない
フックサイズを一つ下げ、エサを小さく整えます。
止めの時間を1〜2秒延ばし、吸い込みの間を作ります。
カラーをダーク系から明滅系へ、もしくはその逆に切り替えます。
糸ヨレや絡みが多い
スイベルのサイズアップと、枝スの長さ調整を行います。
回収時はロッドを寝かせて一直線で巻き、テンションを一定にします。
ラインの撚りは時々引き出して風上で解放します。
- 予備仕掛けは各3セット以上を即応できる形で携行。
- 捨て糸は号数と長さ違いを3種類用意。
- フックは小中大の3番手と、ガード有無を用意。
- シンカーは形状と重さを段階的に小分け。
まとめ
穴釣りはシンプルな自作仕掛けで、手返しと対応力を高めるのが近道です。
ブラクリ風直結、捨て糸式胴突き、直リグの三本柱を軸に、地形と潮で素早く使い分けましょう。
根掛かり対策と結びの精度が安定釣果の鍵です。
要点早見
リグは短く強くシンプルに組むのが基本です。
捨て糸はナイロン細めで10〜25cmを現場調整します。
ラインはフロロ直結から始め、慣れたらPE+リーダーに展開します。
次にやること
三種類の予備仕掛けを自作し、番手と長さをラベル化します。
実釣では10〜20秒のワンスポットルーティンを徹底し、反応が出た要素を横展開します。
安全装備は必ず携行します。
チェックリスト
結び目の滑り無し、針先の鋭さ、シンカーの形状選択、捨て糸の長さ、予備の本数を毎回確認します。
この積み重ねがロストを減らし、打ち直しを増やし、釣果を最大化します。
自作で仕掛けを最適化し、狙いの穴を丁寧に攻略しましょう。
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