遠州灘とつながる汽水湖である浜名湖は、潮の満ち引きと淡水流入がつくる多彩な流れが魅力のフィールドです。
家族でのちょい投げから、中上級者のシーバスやチヌのゲームまで幅広く楽しめます。
本記事では、エリア別の釣りポイント、季節の狙い目、回遊ルートの読み方、釣法別の攻略を整理し、最新情報の注意点や安全面も含めて実践的に解説します。
まずは全体像をつかんでから、当日の風と潮位に合わせて最適な立ち回りを組み立てていきましょう。
目次
浜名湖 釣り ポイントをエリア別に解説
浜名湖は大まかに西岸エリア、東岸エリア、奥浜名湖エリア、今切口周辺の四つの性格に分けて考えると把握しやすいです。
足場の良さや潮通しの強さ、狙える魚が明確に変わるため、目的に応じてポイントを選びましょう。
以下の比較表で特徴を一望し、詳細は各項を参照してください。
| ポイント | 足場 | 潮通し | 主なターゲット | 難易度 |
|---|---|---|---|---|
| 弁天島海浜公園周辺 | とても良い | 中 | ハゼ、アジ、シーバス | 初級 |
| 渚園護岸 | 良い | 中 | キス、チヌ、シーバス | 初〜中級 |
| 村櫛海岸 | 良い | 中 | キス、チヌ、アオリイカ | 初〜中級 |
| ガーデンパーク水路 | とても良い | 弱〜中 | メバル、チヌ、ハゼ | 初級 |
| 今切口周辺 | 場所により悪い | 強 | シーバス、サゴシ、ヒラメ | 中〜上級 |
| 都田川河口 | 普通 | 中 | シーバス、チヌ、メッキ | 中級 |
一部護岸や堤防は工事や立入制限が変動します。
現地の看板と最新の案内に必ず従ってください。
駐車場所は指定エリアを利用し、夜間は近隣に配慮しましょう。
西岸エリアの概要(舞阪・弁天島・渚園)
西岸は鉄道や道路からのアクセスが良く、ファミリー向けの足場が整った護岸が多いのが特徴です。
潮通しは中程度で、回遊の差し込みタイミングが合うと短時間で釣果が伸びます。
ハゼのちょい投げ、アジのサビキ、ナイトのシーバスまで対応できます。
舞阪港側や弁天島周辺は常夜灯が点在し、夜の小型ベイト回遊が起点になります。
橋脚周りの明暗はシーバスの定番で、流れのヨレに小さめのミノーやシンペンをドリフトさせるのが有効です。
東岸エリアの概要(村櫛・ガーデンパーク)
東岸は駐車やトイレの確保が比較的容易で、広いシャローが広がります。
春から秋はキス、初秋はアオリイカ、通年でチヌの反応が得やすいです。
風の影響を受けやすいので、横風時は風裏の水路に避難しながら釣りを組み立てます。
ガーデンパークの周辺水路は足場が良く、ゆっくりした流れで小魚が溜まりやすいです。
小型ワームのメバリングや軽いチニングリグで丁寧に探ると反応が出ます。
奥浜名湖エリアの概要(庄内湖・都田川)
淡水流入の影響が強く、濁りや水温の変化が顕著に出るエリアです。
雨後は濁りが効いてシーバスの活性が上がり、チヌも流れの当たるブレイクに差します。
岸際の敷石とカケアガリを角度を変えて打つのがコツです。
都田川河口は満ち引きで地形の出し入れが大きく変わります。
引き潮でブレイクが露出するときは、シャローからディープへ落ちるラインを重点的に通しましょう。
今切口と外洋接続部の特徴
遠州灘と湖水が激しく行き来するため流速が強く、回遊魚や大型のシーバスが差しやすい反面、難易度と危険度が上がります。
無理はせず、足場の安全が確保できる場所で釣行してください。
波・うねり・横風の三点チェックを徹底しましょう。
ベイトはカタクチイワシ、サッパ、キビナゴが主で、差しのタイミングに合わせてミノーやジグをローテーションします。
飛距離だけでなく、レンジと流れの捉え方が鍵です。
代表ターゲットとサイズ感
春はメバルやチヌの乗っ込み、夏はアジとキス、秋はアオリイカとシーバスの数釣り、冬はロックフィッシュと寒チヌが中心です。
シーバスは60〜80センチが混じり、チヌは40センチ台の良型に期待できます。
アオリイカは秋の新子から成長を追うイメージでサイズアップします。
夜間は静音とライトダウンで近隣配慮を徹底しましょう。
初心者向けの足場良好ポイント

安全に始めたい方や家族連れには、駐車やトイレが整い、柵や低い護岸のある場所がおすすめです。
サビキやちょい投げ、ウキ釣りを中心に、時合いを短時間で切り取ると効率が上がります。
弁天島海浜公園周辺
常夜灯と明暗の変化、穏やかなカレントがあり、アジやセイゴの時合いが出やすいです。
サビキは小型のスキン仕掛けにアミエビを併用し、表層から底まで刻んで探りましょう。
ナイトは小型ミノーやマイクロワームが効果的です。
足場が良いぶん混雑しやすいので、キャスト方向の声掛けと間合いの確保を心掛けましょう。
ゴミは必ず持ち帰り、匂いの出るエサは密閉して管理します。
渚園護岸
広い護岸で家族でも安心です。
キスのちょい投げは5〜10号のオモリに2本針、エサはジャリメや青イソメが定番です。
チヌは落ち込み付近を軽いフリーリグや落とし込みで攻めます。
風が強い日は風裏に回り、斜め前方にキャストして仕掛けを安定させます。
根掛かりが少ない区画から始めるとトラブルを減らせます。
村櫛海岸
遠浅で根掛かりが少なく、初夏から秋のキスに好適です。
波の状況を見て、波足の届く筋の外側を重点的に引くとアタリが出ます。
アオリイカは秋にシャローの藻際を軽いエギでふわふわ見せるのがコツです。
駐車は指定エリアに限り、通路や砂浜の乗り入れは禁止です。
風に煽られると糸ふけが出るため、ラインはやや太めにして視認性を上げましょう。
ガーデンパーク水路
緩い流れにベイトが溜まりやすく、子どもでも扱いやすい軽量仕掛けが活躍します。
メバルはフロートリグでレンジを一定に保つと効率的です。
チヌは小型のクランクベイトや軽めのテキサスでストラクチャーをタイトに攻めます。
ファミリーの装備チェック
ライフジャケット、偏光グラス、帽子、タオル、ウェットティッシュ、ゴミ袋は必携です。
夜間はヘッドライトに加え、周囲に配慮した弱モードを使い分けましょう。
針外しやプライヤー、応急用バンドエイドも準備します。
中上級者向けの潮通しポイント

強い流れや明確なブレイクを絡めたポイントでは、ルアーのレンジコントロールとドリフトが釣果を分けます。
安全第一を徹底したうえで、時合いを逃さない立ち回りが重要です。
今切口周辺の流れを読む
表層は下げで沖出し、底層は反転流が出る二枚潮になりやすいです。
比重の異なる層を跨ぐようにシンペンや中重量ジグを通して反応レンジを特定します。
ベイトサイズに合わせて90〜120ミリのミノーや20〜40グラム級のジグを展開します。
都田川河口のカケアガリ攻略
川筋のブレイクに沿ってベイトが回り、潮目と交差すると一気に食いが立ちます。
バイブレーションやスピンテールで広く探り、反応が出たレンジをミノーで長く見せて深追いします。
濁りが入った日はシルエット強めのカラーが効きます。
常夜灯と橋脚のナイトゲーム
明暗の境目に沿ったヨレをアップクロスに入れて、ラインを送り込みながらドリフトします。
セレクティブなときはサスペンドミノーでピタ止めを混ぜると口を使います。
干満で足場の安全性が変わるため、足元の確認をこまめに行ってください。
サーフ接続部のヒラメと回遊魚
外洋からのベイト差し込みでサゴシやヒラメが回ります。
波打ち際の地形変化と離岸流を見極め、メタルジグやシンペンで斜めに通します。
波が高い日は無理をせず撤収判断を優先します。
季節ごとの狙い目と回遊ルート
浜名湖は季節移行がはっきり釣果に反映されます。
ベイトの入りと抜け、風向と水温の変化を手掛かりに、時期ごとの主役を追いかけましょう。
春(乗っ込みとシャローの活性)
チヌは乗っ込みで浅場に差し、クランクやボトム系ワームが効きます。
メバルは産卵後の回復を狙い、夕まずめからのフロートゲームが安定します。
ベイトは小型甲殻類と小イワシが主体です。
夏(小型ベイトの群れと朝夕の時合い)
アジの群れが入り、サビキや小型ジグ単が活躍します。
シーバスは夜の橋脚と早朝のシャローで反応が良く、トップウォーターにも出ます。
キスは風裏のフラットで広範囲に探るのがコツです。
秋(ベイト最盛期と回遊のピーク)
新子のアオリイカが増え、エギのカラーローテで数を伸ばせます。
シーバスは差しと抜けが明確で、潮止まり前後の一瞬を逃さないことが重要です。
時にサゴシの回遊があり、ワイヤーや太めのリーダーが安心です。
冬(澄み潮とスローゲーム)
澄み潮でプレッシャーが高まるため、メバルは軽量ジグ単でレンジを精密に刻みます。
チヌは落とし込みや軽いボトムリグで小さなアタリを拾います。
日中は日当たりの良いストラクチャー周りを丁寧に攻めましょう。
ベイトの回遊ルート把握
風下岸にベイトが寄りやすく、追うフィッシュイーターもセットで付きます。
等深線に沿った潮目の発生場所と橋脚の下流側明暗は、年間を通じて回遊が通過しやすいラインです。
偏光グラスで水面のざわつきやボイル痕を逐次確認しましょう。
釣法別の実践セレクト

ターゲットと状況に応じて、レンジと波動のコントロールが要点です。
同じポイントでも時間帯でベストルアーや仕掛けが変わる前提でローテーションを設計します。
シーバス(ミノー、シンペン、バイブ)
流れの当て方によりアップクロスのドリフトとダウンクロスの巻き上げを使い分けます。
澄み潮はナチュラル、濁りや夜はコントラストの強い色が有効です。
フックは太軸に換装して伸び対策をしておきましょう。
チニング(ボトム系とトップ)
日中はボトムのリップラップをスローに、朝夕はトップでショートポッピングが効きます。
甲殻類パターンでは無音のスライドと小刻みシェイクを織り交ぜます。
根掛かり回避のオフセットセッティングが安心です。
アジング・メバリング
ジグ単は0.6〜1.5グラムを基準に、潮に合わせてウエイトを刻みます。
フロートで遠投して明暗の境目を長く見せると数が伸びます。
ワームはクリア系とグロー系をローテーションします。
エギング
秋は2.5〜3号でフォールを長めに見せ、春は3.5号でレンジを早く刻みます。
風が強い日はエギの号数を上げてラインスラッグを抑制します。
藻場は根掛かり対策に角度をつけて入れ、バイト跡は数歩横へずらして再投入します。
投げ釣り(キス・カレイ)
キスは遊動テンビンでサビキながら底質を読み、アタリの出た距離をメモして再現します。
カレイは潮止まり前後にエサをしっかり置いて待つ釣りが基本です。
エサは新鮮な青イソメや本虫を使い分けます。
落とし込み・電気ウキ
護岸のヘチは落とし込みでチヌやセイゴが狙えます。
電気ウキは流速に合わせて浮力を微調整し、仕掛けの姿勢を保つと食い込みが向上します。
夜は足元の安全確保を最優先にしてください。
潮汐・風・水温の読み方
浜名湖は潮位差が大きく、時間帯で流向とレンジが劇的に変わるのが特徴です。
風と淡水流入を合わせて三要素で現場判断を行いましょう。
潮位と流向の基本
上げは沖から湖内へ、下げは湖内から沖へと大きく動きます。
橋脚や岬の風下側にヨレができやすく、そこが一級の通り道です。
潮止まり前後は回遊の小休止と食いの一瞬が同居します。
風向と濁りの活用
西風が強い日は東岸が風裏になりやすく、濁りが入った岸に魚が寄ります。
向かい風は波気が出て活性が上がる反面、キャストと操作性が落ちるため重量と姿勢で補います。
偏光で波の抑揚を観察し、離岸流の筋を読む練習をしましょう。
雨後の淡水流入と狙い所
雨後は表層が真水寄りになり、底層の塩水との境にベイトが付きます。
河口のサンドバーや合流点下流は好機で、濁りの境目をなめるようにトレースします。
増水時は無理をせず足場を優先してください。
水温と時合いの関係
急激な低下は活性を落とすため、日照で数度戻るタイミングを狙います。
夕まずめと干満の変わり目は、年間を通じて最重要の合わせどころです。
表層温度計や手感で変化に敏感になりましょう。
潮見の具体的な組み立て
上げ三分から七分はシャロー、下げに転じたらブレイク、潮止まり前後は明暗で回遊待ちという配分が基本です。
風が強い日は風裏へ逃げ、潮圧が効く点だけを短時間に叩く回遊待ち戦略に切り替えます。
無駄打ちを減らすことで釣果は安定します。
釣果アップの実践プラン
当日の風向と潮位から、時間帯別に狙い所を配分することでヒットチャンスを最大化できます。
短時間釣行でもメリハリが鍵です。
早朝の回遊カットプラン
薄明から上げに乗るベイトを想定し、橋脚下流側の明暗とシャローの差し筋を10分刻みでローテします。
ノーバイトなら移動、反応が出たらレンジ固定で深追いするのが効率的です。
光量が上がったらシルエットを薄くして見切られを防ぎます。
夕まずめからナイトの明暗待ち
夕まずめは岸寄りのシャローでトップやシンペン、完全に暗くなったら橋脚と常夜灯の境目でドリフトに切り替えます。
干満の切り替わりをまたぐなら、一度レンジをリセットして通し直します。
風が落ちる日ほどチャンスが増えます。
風向別の立ち位置最適化
追い風は飛距離を活かして沖のヨレを、向かい風は岸際の濁りに絞ります。
横風はラインメンディングを多用し、アップクロス主体で糸ふけを制御します。
水面の泡とゴミの流れで微妙な反転流を探しましょう。
タックルセッティングの基準
シーバスは9.6フィート前後Mクラスに3000〜4000番、PE1.0〜1.2、リーダー20〜25ポンドが基準です。
チニングはL〜MLのソフトティップにPE0.6〜0.8、リーダー12〜16ポンド。
アジングはソリッドティップにエステル0.3〜0.4が扱いやすいです。
ランディングとトラブル回避
足場が高い場合は伸縮タモを携行し、抜き上げは避けます。
根掛かりは角度を変えて外し、無理な引っ張りはライン破断の原因です。
フックは都度チェックして伸びやカエシ潰れを交換しましょう。
- 潮と風の三要素で狙い所を決定
- 反応レンジを早めに特定して深掘り
- 安全とマナーを最優先
ルールと安全の重要ポイント
浜名湖は観光地と生活圏が重なるフィールドです。
ルール順守と安全の徹底が釣り場の維持につながります。
立入禁止と工事情報
堤防や護岸は工事や老朽化で立入制限が変更になります。
チェーンや看板、カラーコーンの表示に従い、無断進入は絶対に避けましょう。
最新情報は現地掲示で確認してください。
駐車とトイレのマナー
指定駐車場を使用し、道路や私有地の路上駐車は厳禁です。
早朝や夜間はドアの開閉音や会話の音量を抑え、ライトは下向きで使用します。
トイレは公園施設を利用し、清潔に保ちます。
漁業権と採取について
一部貝類や資源の採取には漁業権が関わる場合があります。
採取は行わず、釣った魚もサイズと数を守って持ち帰りは最小限にしてください。
資源保護の観点から小型はリリース推奨です。
夜釣りのライトマナー
強い光を水面に当て続けると魚が散り、周囲の迷惑にもなります。
必要な時だけ短時間点灯し、歩行時は足元照射に留めます。
赤色灯や弱モードを活用しましょう。
安全装備と天候判断
ライフジャケットは必ず着用し、滑りにくいシューズを選びます。
強風や高波、雷の可能性がある場合は出釣を控えます。
単独釣行は行程を家族に共有し、無理をしない撤収判断を徹底します。
まとめ
浜名湖はエリアごとに性格がはっきり分かれ、目的と技量に応じて釣り方を選べる懐の深いフィールドです。
西岸やガーデンパーク周りは足場が良く、今切口や河口は流れを読むゲーム性の高い舞台です。
季節の主役とベイトの回遊ルート、潮と風の三要素を押さえれば釣果は安定します。
現地の掲示に従い、安全とマナーを最優先に楽しみましょう。
本記事のポイントと手順をベースに、当日の条件に合わせた微調整を加えれば、限られた時間でも十分に結果が出せます。
準備と観察を怠らず、変化を味方に付けて浜名湖の豊かな釣りを満喫してください。
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